「もうタイに彼より強い選手はいないよ」
ムエタイの本場タイからはそんな声も聞こえてきた。話題の主は吉成名高だ。
2月12日には東京でムエタイ二大殿堂のひとつ、ラジャダムナンスタジアムが認定するスーパーフライ級王座統一戦に臨み、正規王者プレーオプラーオ(タイ)から1回にダウンを奪って判定勝ち。外国人選手初の同スタジアム3階級制覇を成し遂げた。
「達成感はありました。以前からやりたかった相手で、試合が決まった時点から気合いが入ってましたから。ご褒美に家族で熱海に温泉旅行に行ってきました」
先日、ONE東京大会でスーパーレックと歴史に残る激闘を繰り広げた武尊は「吉成選手の3階級制覇はボクシングの井上尚弥選手の活躍に匹敵する偉業」と称えた。しかしながら、吉成の快挙が世間に浸透しているとはいいがたい。それはムエタイに「ダウンが少ない」「わかりにくい」といったイメージがつきまとっていることと無関係ではあるまい。
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photograph by Hiharu Takagi