キャプテンを決めるプロセスは毎回異なります。現在指揮を執る東京ヴェルディでは就任2年目の昨季、「新しいヴェルディ」を打ち出すために主将を若返らせました。指名したのは22歳だったMF森田晃樹です。選手だけでなくエキップやメディカルなどスタッフにも聞き取りし、2次キャンプ終盤に森田に託すと決めました。
主将の打診にその場で5分悩んだ森田。
監督室に呼んで主将就任を伝えた時のこと。森田はすぐに「YES」と言いませんでした。「何分でも待つぞ」と言ったら、「考えさせてください」とその場で本当に5分くらい考えていた(笑)。僕の監督経験の中でも一番長かったのではないかな。ただ、その行動が森田らしいなとも思いました。彼自身、人前で話すことが苦手で、闘争心を前面に出すタイプではない。ただし監督、ベテラン、エキップまで立場関係なく対等に話をすることができる。さらに勝ちたいという純粋さと素直さでチームを前に進める「ロイヤリティ(献身性)」を持っていた。それこそが私がキャプテンの資質として最も重要視するものです。
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photograph by J.LEAGUE