今年37歳。最後となるかもしれないW杯に、最高の状態で臨みたい。そのために取り組んだ独自のトレーニングには2つのキーワードがある。それは「サンダル」と「24時間ウォーク」だ。
欧州に旅立つ前、最後の取材機会。日本代表の面々のなかで、堀江翔太は異彩を放っていた。メンバーの足元を見ると、スーツを着ている選手は革靴、ポロシャツ着用の選手はスニーカーを履いていたが、堀江はサンダルだった。
なぜ、サンダル? その理由を堀江の体を長年にわたってメンテナンスしてきたトレーナーの佐藤義人氏が教えてくれた。
「翔太が履いているのはビルケンシュトックのサンダルです。試合前のアップでも履いてますよ(笑)。なぜあのサンダルかというと、指の力を使って歩く、走ることに意識的に取り組んでいるからです。既製品では最も指の機能を生かせるもので、やむを得ない時をのぞいて、翔太はずっとサンダルを履いているはずです」
堀江翔太、37歳。リーチマイケルと共に4度目のW杯を迎え、この12年間、日本代表の中心にいる人物である。これまでのW杯での経験を堀江はこう振り返る。
「2011年の大会は、フッカーにコンバートされて間もなかったですし、チーム自体も整備されてなかったですね。スクラムコーチもいませんでしたし、個々の力を束ねるマネジメントもなかったんかな。それからエディー(・ジョーンズ)さんがやってきて、必要なことを徹底的に仕込まれて、みんなで苦しいことをやって、南アフリカに勝てました」
その後、'16年にジェイミー・ジョセフがヘッドコーチに就任し、'19年の日本大会に向けてチームは変貌を遂げた。
「中央集権的な形から、リーダーを複数育てていく形になりました。選手たちが必要なことを理解して動けるというね。それがいまも継続してる感じです」
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photograph by Aki Nagao