ジャンプでの転倒がありながら、なぜ頂点に立てたのか。昨シーズンから指導するカナダ人コーチが明かす、羽生の類まれな能力と、五輪へと積み重ねてきた日々。(初出:Number848号[コーチが語る王者の才能]「ユヅルはもっとうまくなる」)
正直に言うと、男子のフリーは全体的に良い演技ではありませんでした。それは、SPとフリーが2日連続で行なわれたためだと思います。SPの夜に会見を終えて宿舎に戻るのは、夜中過ぎで、翌日は早朝から公式練習がある。そんなスケジュールだったら、どんな選手だって疲れるのは当たり前。今後、考えてもらわないといけないことです。
体調や条件が悪いときにどこまでできるかに、それまで選手の積み重ねてきたものが出るのです。ユヅルはいつも本当に熱心にトレーニングをしています。死ぬほど疲れていても、3回転ジャンプを跳びます。床の上で歩きながらでもやっている。それが五輪でのフリーで彼を助けたのです。
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photograph by Mami Yamada