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[51番に憧れ続けて]細川凌平「イチローが期待する19歳の継承者」

2022/04/15
智辯和歌山の51番のウエアを着てイチローの打撃指導を受ける

 一昨年の冬、イチローが指導に訪れた智辯和歌山に51番のウエアを着ている3年生がいた。それがファイターズへの入団が決まっていた細川凌平だ。「ちゃんとやってよ」という言葉を直に授かり、イチローからその未来を期待されている細川は、子どもの頃からずっとイチローに憧れていた。

「保育園の頃から大好きで、イチローさんのようになりたいと思っていました。小学校のとき、最初に守ったポジションはセンターで、最初に買ってもらったグローブはミズノの外野手用のイチローモデルです。中学でクラブチームに入ったときは好きな背番号をつけていいということだったので、空いていた51番を速攻で選びました」

 2002年に生まれた細川が保育園に通う頃、イチローはオールスターゲームでランニングホームランを打ってMVPに輝き、小学校へ入学する直前、不振を極めた第2回WBCの決勝戦で勝ち越しタイムリーを放って日本中を歓喜の渦に巻き込んでいる。10年連続で200安打を記録したのは細川が小2の秋で、メジャー通算3000本安打は中2の夏のことだ。

「イチローさんは、いい意味で淡々とプレーしているんですよね。いいときも悪いときも常に同じ姿を見せている。ヒットを打ってもとくに喜ぶわけでもなく、三振しても胸を張って引き上げる。打てなかった次の日も、同じ姿でグラウンドへ現れる……そうやってずっと試合に出続けているイチローさんが本当にカッコよかった。そのカッコよさはビジュアルだけじゃなくて、内面から染み出してくる人としてのカッコよさだと思うんです。そういうイチローさんだから世界のトップに行けるんだろうなと思っていました。自分もそういう本当のカッコよさを追い求めていきたいんです」

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photograph by Naoya Sanuki

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