アトレティコ・マドリーのルイス・スアレスが嘆いていた。
「いまは昔ほどゴールを喜ぶ気にはなれないんだ。ゴールを決めたあの喜びも、アドレナリンも、疑念とともにどこかへいってしまう」
スタンドのファンも同じだ。ここ数年、欧州のスタジアムで熱気の低下を感じるようになった。かつてそこにあった、ネットが揺れた瞬間にスタジアムを包んだ歓喜も、怒号も、嘆きの声もグレードダウンした。
先日、アトレティコの本拠地で試合を見て改めてそれを実感した。かつては欧州でも有数の熱量で包まれていたが、随分とおとなしい。現在のチームの調子やコロナ禍による影響もあるだろう。しかしファンの表情を見ていても、ゴールに喜びはするものの、すべてを忘れ歓喜に酔いしれるような姿は見られない。
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