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<大坂なおみの宣言と告白について>伊達公子「彼女なりの方法で一石を投じた」~レジェンドの視点~

2021/06/20
全仏で起きた記者会見の拒否宣言と抑鬱状態の告白を伴う棄権。“女王”大坂なおみの言動は想定を超え大きな波紋を呼んだ。トップ選手の重圧と課題を伊達公子が自身の経験もふまえて語る。

「今回の全仏オープンでは一切、会見をしません」

 5月27日、大坂なおみのSNSへの投稿が大きな波紋を呼んだ。

 メンタルヘルスを理由とした記者会見のボイコット宣言。要請された会見を拒否すると罰金を科されるのがテニス界のルール。異例の行動はすぐさま数多の反応と議論を巻き起こした。

 そして6月1日、大坂はSNSで「大会、他の選手、私自身の幸せのためにもこれが最善」と表明して2回戦を棄権。グランドスラム初制覇を果たした'18年全米オープン以来、抑鬱状態にあることも明かし、自らの口では何も語らぬままパリの赤土から去っていった。

 まず言えるのは、それぞれの立場、考え方、受け止め方があってひとつの答えを出すのは難しいということ。ただ、彼女が選手とメディアの関係、記者会見のあり方や罰金のルールなどに一石を投じたのは間違いありません。長い目で見たらこれは必要なことだったんじゃないでしょうか。

 もちろんいい時もメディアには取り上げてもらっているので、もう少し違うやり方とタイミングがあったかもしれない。そのせいで大坂さんの予想以上に事が大きくなってしまったのではと感じます。

 私自身も選手だった時はメディアとそれほどいい関係を築けた方ではありませんでしたし、選手の立場からすると、負けた後の会見はできるものなら避けて通りたい時もあります。

 試合が終わって数時間以内に行われる会見時までにまだ敗因を分析できていない、負けを受け入れられてすらいないのに、なぜ負けたのかという質問に答えないといけない。敗者の会見が必要ないとは思いませんが、再考すべき点はあるでしょうね。それは時間的猶予なのか。でも、何カ月も受け入れられない負けもあるので、きっと時間じゃ解決できませんね(笑)。メディア側の選手への気遣いももちろん必要だと思います。

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photograph by AFLO

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