久保が加わるのは、欧州でも有数の強豪ながら、アットホームな側面も持つ魅力に溢れたクラブだ。ビジャレアルを愛してやまないレジェンドが解説する。
EURO2008を制したスペイン代表のMFマルコス・セナだが、生まれはブラジルの大都市サンパウロ。名門コリンチャンスで頭角を現し、2002年にビジャレアルへ移籍する。当時のビジャレアルはまだ無名で、1部と2部を彷徨うエレベータークラブだった。特に人口1200万人の大都市サンパウロから人口5万人の街、ビジャレアルに移り住んだセナにとって街の規模の違いはカルチャーショックだった。
しかし、44歳となった今ではこう話す。
「私にとってビジャレアル以上の場所はありません。偉大な家族であり、ここで手にしているような仕事ができるクラブは世界中を探しても多くありません。今はもう、ここから大都市に移り住もうとは思わない」
ビジャレアルはとても家族的なクラブ
セナは選手としてビジャレアルに2002年から'13年までの11シーズン在籍し、ニューヨーク・コスモスで2年プレーした後の'15年に現役を引退。現在は、ビジャレアルに外務ディレクターとして籍を置く。クラブの顔としてCLやELの抽選会に出席したかと思えば、アカデミーや国際部のクリニックに駆り出され、育成年代の選手や子ども向けに指導することもある。15年以上にわたり選手、職員として在籍するレジェンドは、ビジャレアルを「クラブ以上の存在」と定義する。
「ビジャレアルはとても家族的なクラブで、常に選手、クラブ職員や彼らの家族、ファンのことを気にかけています。コロナ禍にある今は特に困っているファン、全ての関係者に手を差し伸べようとしています」
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Takuya Sugiyama