先行きが不透明とはいえ、じっとしているわけにもいかなかった。新型コロナウイルスの影響で公式戦が延期となった米国で、マリナーズ菊池雄星が本格的なトレーニングを再開した。キャンプ打ち切り後も、感染者が増加する本拠地シアトルには戻らず、アリゾナ州に滞在。プライベート用のジムと、人影もまばらな近隣の公園で黙々と汗を流す。
「難しさはあります。オープン戦はすごくいい形で、課題をひとつずつ克服してきたところだったので、すごく開幕が楽しみでしたが、より良くなる期間だと捉えなきゃいけないなと思います」
飛躍を期す2年目のシーズンを前に、昨年11月から早々とアリゾナで始動し、球速アップを目的としてフォーム改良に取り組んだ。2段モーションだった右足の上げ方、テークバックの動きを大幅に変更。より角度が付き、球威も増した。オープン戦では速球が約156km、スピン量を抑えたパワーカーブが140kmを計測するなど、成長の証が明確な数字として表れた。首脳陣もエース左腕のゴンザレスに続く2番手として起用する方針を明かしていただけに、「開幕が楽しみ」という菊池の言葉は偽らざる本音だった。
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