東京の下町、荒川区の町屋で生まれて、小学2年生のときにリトルリーグのチームへ入った。父に連れられて、半ば強制的だったのだと鈴木誠也は苦笑いを浮かべた。
「だから野球がすごく嫌いで、小さい頃は親がテレビでプロ野球を観ていたら『やめてよ』と言うくらいでした。バットを持つと喜んで遊んでいた時期もあったらしいんですけど、物心ついてからは野球が嫌いで……やらされるものという感覚があったんでしょうね」
それがいつしか、野球をやりたくて仕方のない自分になっていた。「そこは自分でもよくわからない」という鈴木だが、じつは中学の頃、野球だけの毎日を過ごしていなかったことが案外、大きかったのかもしれない。
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photograph by Hideki Sugiyama