「王貞治としてのバッティングができなくなった」
39年前、引退時にこう語った世界の本塁打王。
自分と戦い続けた男だからこそわかる、イチローが歩んできた道のりの険しさを語った。
39年前、引退時にこう語った世界の本塁打王。
自分と戦い続けた男だからこそわかる、イチローが歩んできた道のりの険しさを語った。
彗星のごとく現れるのがスターの条件だとしたら、イチローはスーパースターそのものだったよね。高校ではそれほど注目された存在ではなかったのに、オリックスで一軍に定着した年に一気に210安打、アメリカの1年目も242安打。3年、4年と経ってからでは見る側はそこまでインパクトを感じないし、スター性においても物足りない。そういう意味で表舞台への登場の仕方からして彼はスーパースターだった。
WBCでともに戦う以前から、ホークスの監督としてすごさはよく分かっていたよ。とにかく手のつけようがなくて、イチローに打順が回ってきたら神様に祈るしかないぐらいの選手だった。練習ではホームランバッターよりも飛ばすのに、試合になると徹底してピッチャーに返す。それが結果的に三塁寄りに行ったり、一塁寄りに行ったりということでね。ボールの“受け方”が図抜けてうまかった。
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photograph by Naoya Sanuki