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モレイラ騎手は一次試験不合格。 合否を分けたものとは。 ~デムーロでさえ、一度は不合格だった~

2018/11/01
10月11日、JRA騎手免許一次試験の結果を受けて、大井競馬場で取材を受けるジョアン・モレイラ騎手。

 '19年度のJRA騎手、調教師免許試験の一次合格者が10月11日に発表された。とは言っても、それは受験番号の羅列。個人情報保護の観点からとの理由だが、騎手試験に不合格だったジョアン・モレイラがすぐに記者会見を開いて落胆の表情を浮かべ、唯一の合格者が豪州で騎手免許を得て、各国で活躍している藤井勘一郎(34歳、日本国籍)であることもすぐにわかった。番号の主を探って報道等で明かしてもお咎めなしということなら、最初から名前での発表がスッキリしている。

 両者の明暗を分けたのは語学の能力以外にない。母国語がポルトガル語のモレイラは、日本語はもちろん、英語の筆記試験にもうまく対応できていなかった。藤井はその点では万全。それでも6回目の挑戦で初めて届いた一次合格だった。モレイラに不合格を言い渡すのは、JRAとしてもあまりにももったいなかったが、人気と実力を差し置いても、試験の結果を丁寧に検証するのは当然の姿勢。公正絶対確保の大前提をここでも守った頑固さは、評価されていい。勉強熱心なモレイラなら、来年の試験には必ず受かるはずだ。ミルコ・デムーロでさえ、一度は不合格だったのだから。

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photograph by NIKKAN SPORTS

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