「井上尚弥は間違いなく怪物です。しかしそれでもオリンピックには出場できなかったんですよ」
ロンドン五輪で金メダルを獲得して間もない頃、村田諒太がこう言った。五輪出場権を手にするため一緒に練習し選考大会にも揃って出場した井上の才能を認めつつも、五輪出場のためには若すぎたというのだ。ロンドン大会で村田は、銅メダリストになる盟友・清水聡と同じ26歳だった。19歳の井上はプロ入りを遅らせてまで五輪出場権を追い求めたが、ついに夢を果たせずに終わっている。
その後、井上も村田もプロに転向し、いまや共に世界王者として輝いている。なぜこのことを思い出したかといえば、先日東洋大学で催された村田諒太の世界チャンピオン獲得祝賀会の場に、驚異の高校生・堤駿斗も招かれていたからである。東京五輪の期待の星は村田の母校に進学を決めていたのである。
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photograph by BOXING BEAT