「デストのお父さん、おめでとう」
思わず、秋の夜長に祝杯をあげた。
秋の叙勲で“白覆面の魔王”ことザ・デストロイヤー(本名リチャード・ベイヤー=87歳)が旭日双光章を受章したことだ。
正直、驚いた。プロレスラーが国からその功績を称えられ、叙勲を受けたというのは、筆者の記憶にない。力道山、ジャイアント馬場も「本当によかった」と、天国でお祝いしてくれているはずだ。
デストロイヤーの初来日は1963年5月。ヒールの大先輩キラー・コワルスキーの横っ面を平手打ち。同24日、東京体育館での力道山との一騎打ちでは、足4の字固めという強力な得意技を武器に28分15秒、レフェリー・ストップの引き分けという大死闘をやってのけ、お茶の間のファンを釘付けに。鮮烈なデビューで、日本テレビ金曜8時のプロレス放送を占拠した。力道山戦の番組視聴率は64%、今では考えられない数字である。
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photograph by KYODO