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世にも美しいボクシングの言葉。~具志堅用高がスポーツの世界に残している魂~

2017/06/08

 ここに無敵の元チャンピオンがいる。いや、ただのボクシング人がいる。心が清らかで、そのせいか気弱に映る初老の男が静かに立っている。

 具志堅用高、泣いた。

 人間はふいの落涙に抗しようとすると鼻をつまむんだ。少しだけうつむくんだ。この人物がそうしたからわかった。


 5月20日の有明コロシアム。

 いま、たったいま、フライ級の新世界王者は生まれた。教え子、比嘉大吾の戴冠。歓喜のリングにおいて「白井・具志堅スポーツ」会長で防衛13度の元ライトフライ級世界チャンピオン、国際ボクシング殿堂に名を刻まれる61歳が涙の連打をこらえる。口元に変な力が入っている。

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photograph by KYODO

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