九州場所千秋楽を終え、慌ただしく写真を電送するカメラマンの会話が、耳に入ってきた。
「なんだか、北の湖理事長が急逝した13日目から白鵬が3連敗するし、翌日からは琴奨菊や豊ノ島、大砂嵐も休場しちゃってさ。急に熱気が無くなってしまった感じだな」
「優勝争いの3人が揃いも揃って全員負けて、それで優勝が決まるなんてね。盛り上がらない、拍子抜けした最後になってしまったなぁ」
1敗をキープし、千秋楽の稀勢の里戦を迎えた日馬富士。2敗で追い掛ける白鵬と平幕の松鳳山。優勝決定戦の期待も大きかったのだが――結びの一番で白鵬が鶴竜に敗れ、日馬富士本人も思わず、「オレが優勝したんだよね」と確認するほどに、あっけない幕切れとなった。
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photograph by KYODO