11月21日に行われたレアル・マドリー対バルセロナのクラシコは、パリでの連続テロ後初のビッグイベントということもあり、厳戒態勢が敷かれていた。
ベルナベウの周囲には3重の警備網がはられ、警備員が鋭い視線で荷物に目を光らせていた。スタジアムを見上げると、黒いライフルを持った特殊部隊が屋根の上からこちらに銃口を向けていた。
荷物検査とボディチェックが入念に行われたため、普段よりも行列がゆっくりと進む中で、こんな光景に出くわした。
密集する行列に並んでいた中東のファン数人が、アラビア語で歌いながら騒ぎ始めた。すると、我先に入ろうと押しあっていた観客たちがさっと引くように彼らから離れ、不審者でも見るかのように、顔をしかめて遠巻きに眺めはじめたのである。
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