世界ランキングに入った頃から気になる存在だった。7月に自身初めて国外に出た敵地マカオで、中国のイク・ヤン相手に判定勝ちしIBF世界S・ライト級王座についたセサール・クエンカ。
南米アルゼンチン出身のサウスポーの何が気になったかといえば、そのレコードである。50戦して48勝無敗2NC(無効試合)。負けたことがない上に、KO勝ちが僅かに2度しかないのだ。
KO率が70、80%を超える強打のチャンピオンとは対照的に、非力ながら世界王者として活躍する選手もいる。それでもクエンカのKO率4%は突出して低い。過去にこれより低い数字の世界王者がいたかどうか記憶にない。50戦以上の歴代王者で一番低い数字なのは確かだ。
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photograph by Sumio Yamada