「めでたさも中くらいなり……」とでも言いたくなるような、そんな優勝一夜明け会見だった。横綱昇進後、悲願の初優勝を果たした晴れがましい席にも関わらず、笑顔のない鶴竜がいた。「言い訳になりますが」と前置きをしつつ、「肩の古傷が痛み、正面から受け止められなかった」と“注文相撲”を取らざるを得なかった苦衷を吐露した。
日馬富士と白鵬が休場したものの、15日間満員札止めと、大盛況のうちに幕を閉じた秋場所。ひとり横綱を張った鶴竜の、横綱らしからぬ立ち合い変化が内外から酷評された。照ノ富士との優勝決定戦を制して賜杯を抱いたが、どこか後味の悪い幕切れともなってしまった。
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photograph by KYODO