右手中指の負傷で出遅れていたマリナーズの岩隈久志が、初先発した5月3日のアストロズ戦で今季初勝利を挙げた。7回途中まで4失点ながら、要した球数はわずか81球。快調なテンポでアウトを重ねる投球は、開幕から1カ月遅れたブランクを感じさせなかった。
「やっと戻ってこられた、という気持ち。すごくホッとしています」
今年1月の自主トレ中、右手中指を痛めた。その後、キャンプインしても痛みが引かず、投球練習を完全休止。オープン戦開始後もノースローで治療に専念した。ただ、「1日でも早く投げたい」と話す一方で、焦りはなかった。メジャー2年目の昨季は、開幕から先発ローテーションを守り、33試合で14勝6敗、219回3分の2を投げ、防御率2.66と抜群の成績を残している。サイ・ヤング賞の投票ではシャーザー、ダルビッシュに次ぐ3位に入り、リーグ屈指の投手としての地位を確固たるものにした。体調さえ整えば、結果は付いてくる。過去2年間で得た経験が、確かな自信として、負傷の岩隈を支えたのである。
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