「ダニエル太郎は日本人だが生まれはニューヨーク。完璧なスペイン語を話すのは、スペイン・バレンシアに住み、練習拠点を置いているからだ」
男子ツアーを主催するATPは、こんな書き出しで公式サイトに彼の記事を載せた。2月上旬、チリの大会で予選を勝ち上がり本戦準々決勝進出。初のツアー大会8強、それどころか本戦勝利さえ自身初だった。190cmの長身、英語とスペイン語を流暢に話す童顔の日本選手の躍進に、ウェブサイトの担当者は興味津々といった様子で文字を綴っている。
アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、幼い頃は日本で暮らした。父親の仕事の都合で14歳でスペインに移住。言うまでもなく、世界ランク1位のラファエル・ナダルを生んだテニス王国である。ダニエルのクラブは、同4位のダビド・フェレールの拠点でもある。有名選手がいるとはいえ規模は小さく、米国・フロリダやスペイン・バルセロナの有名アカデミーに比べればいかにも片田舎のクラブ。だが、ダニエルは大きな所も試したうえで、ここを選んだ。
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photograph by Hiromasa Mano