サラエボの自宅で抽選会を見守ったオシムは、
組分けとトーナメント表をにらみながら、展望を語った。
日本が入ったグループCに始まり、優勝候補の本命、
ダークホース、そして初出場となる祖国の可能性まで――。
組分けとトーナメント表をにらみながら、展望を語った。
日本が入ったグループCに始まり、優勝候補の本命、
ダークホース、そして初出場となる祖国の可能性まで――。
――日本はコロンビア、コートジボワール、ギリシャと同組になりました。
「他よりも危険の少ないグループだ。つまり優勝候補の本命であるようなチームはいない。たしかにコロンビアは強豪だが、ブラジルやアルゼンチン、スペイン、イタリアと同じではない。この中で最も優れたチームはコートジボワールだろう」
――コロンビアよりも上ですか?
「コロンビアとコートジボワールが優位だ。だが日本とギリシャも力は接近していて、どの相手に対しても日本はノーマルなプレーができる。つまりチャンスがあるということだ」
――初戦でコートジボワールと当たります。
「すでに何度か対戦しているだろう。思い出すのは、日本がホームで勝った試合('08年5月、1-0)だ。あの試合は、コートジボワールに対するとてもいいイメージになる」
――しかし'10年の南アフリカ・ワールドカップ直前には日本が敗れています。
「そうかも知れないが、ブラックアフリカ系のチームはどこも、ディシプリンがあり、よく走る相手を苦手とし、おしなべて手を焼いている。日本はそこを突くことができる。0対0できっちりと試合を終えるような、結果を得るための戦い方を日本も覚えるべきだ」
コートジボワールはドログバに多くを依存している。
――いわゆるアカデミー(フランス人ジャンマルク・ギウーがASECアビジャンに創設
した育成機関。実質活動は6年間だったが、現代表にもトゥーレ兄弟など9人が名を連ねる)の黄金世代の選手たちも軒並み30歳を迎え、チームは高齢化が進んでいます。
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photograph by Takuya Sugiyama