昨夏日本中を沸かせたスピードスターの移籍発表から数日後、
ベルギーの名門はさらに20歳のJリーガーを獲得した。
立て続けに若き国産フォワードと契約したのはなぜなのか。
日本人3人が所属するのはどんなチームなのだろうか。
入団したばかりのふたりと地元紙の記者に話を聞いた。
ベルギーの名門はさらに20歳のJリーガーを獲得した。
立て続けに若き国産フォワードと契約したのはなぜなのか。
日本人3人が所属するのはどんなチームなのだろうか。
入団したばかりのふたりと地元紙の記者に話を聞いた。
赤い帽子をかぶった人々が、雪で覆われた白い地面に、それぞれの足跡をつけながらゆっくりとスタジアムへと歩いていく。
そんな冬の週末の風景を、フィリップ・ジェルダイは20年以上見続けてきた。彼はリエージュの地元紙ラ・ムーズで、スタンダール・リエージュ番を務めている。
川島に続く2人の入団で、スタジアムには大量の日本人客。
しかし2月のその日、彼は普段とは違う光景を目にする。スタジアムに、これまでにはないほどの、大量の日本人を見たのである。
「スタンダールには昨夏から川島永嗣が加入していたから日本人を見ることもあったが、こんなに多くの人を見たのは初めてだな」
理由はひとつだ。今冬、スタンダールは永井謙佑と小野裕二を獲得した。3人の日本人が欧州の同クラブでプレーするのは初のことだ。スタジアムには日本人客が一気に増えたという。
「お客さんも増えるし、いいことだと思う。あとはピッチの上で活躍してもらうこと。今日は、ナガイは後半から出るんじゃないか」
ベテラン記者の予想通り、永井は後半から試合に出場した。デビュー戦にスタンドの日本人は沸き、地元サポーターはどんなプレーをするのかと、好奇の目で眺めていた。
コストのかからない若手選手を育成して売却する、クラブの方針。
スタンダールがふたりの日本人を獲得した理由を、ジェルダイ記者はこのクラブのプロジェクトの一環だと語る。
「そもそもスタンダールは育成に定評のあるクラブなんだ。世界中、様々な地域から見つけては選手を呼び寄せている。だから別に同じ国の選手が3人いるのは珍しくもない。これまでにも色んな国の選手がいたわけだから」
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photograph by Tomoki Momozono