一歩ずつ着実に成長するというのは実は理想論だ。選手というのは、一気に階段を駆け上がったかと思えば、踊り場で少し休んで、というのを繰り返して成長していく。
15歳で全日本選手権を制し、天才少女と呼ばれた森田あゆみも、例外ではない。
17歳で四大大会初出場を果たした森田だが、昨年の全仏まで8大会連続1回戦負けだった。ショットの力強さは一流だが、強打が入れば勝ち、入らなければ負けというリスキーなテニス。勝つも負けるも自分次第というスケールの大きさは魅力だったが、負けが込むとそのスケールもしぼんで見えた。
丸山淳一コーチらスタッフは軌道修正を図った。森田本人の言葉を借りれば、「無理に打たない、攻められる時だけ攻める」テニスを目指したのだ。
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photograph by Hiromasa Mano