#750
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<分析・開幕2連勝> 宮里藍 「女王『当確』の根拠」

2010/03/24
雌伏の時を乗り越えた彼女には、技量に裏打ちされた落ち着きが漂い、
その実力を目撃した人々は“女王誕生”に大きな期待を膨らませている。
メジャー制覇をも射程に収める「強さ」の秘密を、客観的に解説する。

 44年ぶりとなる米ツアー開幕2連勝の凱旋試合となった日本ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で、宮里藍は7位タイに終わった。琉球GCに集まったギャラリーは、3日間で2万6010人。これは、宮里が出場しなかった昨年の2倍近い人数だ。

 18歳で日本ツアー初優勝を果たし、現役女子高生のままプロ転向して一躍世間の注目を浴びて以来、宮里は常に、現在の女子ゴルフ人気の先頭に立ってきた。そして今、米ツアー参戦以降で、注目度は再びピークに達している。地元・沖縄での凱旋試合は、史上初の日米開幕戦制覇に加え、3週連続優勝という、常識的にはあり得ないほど高い期待を背負った試合だった。

 そこで首位と7打差の7位タイ。2日目の土曜日を終えた時、2打差の6位タイと絶好の位置に付けていただけに、最終日の11番と13番、ボギーが出て優勝争いから後退した時には、ギャラリーからため息も出た。

「一年を通して見れば、勝てない試合の方が多いんです」

 だが、ホールアウトしてインタビューを受ける宮里の口元には、笑みがあった。それは照れ隠しでもなければ、負け惜しみでもなかった。彼女は、いつもの真っ直ぐな瞳で、次のように語った。

「一年を通して見れば、勝てない試合の方が多いんです」

 そもそも3週連続優勝というのは、ゴルフでは奇跡に近い。こうした過大な期待を、冷静に、なおかつ笑顔で受け止めるところが、いかにも宮里らしい。7位タイとは言え、今季3試合目に当たる日本での開幕戦も通算3アンダー。この試合の2日目まで、米ツアーから通算すると、10日間連続してアンダーパーで回ったことになる。これは大変な成績だ。

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photograph by Taku Miyamoto

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