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メジャーが欲しがった“無名公立校の18歳”なぜ社会人野球に進んだのか? 「高卒プロの7割がわずか5年で戦力外」本人が明かした“進路決定”ウラ側
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井上幸太Kota Inoue
photograph byKota Inoue
posted2026/10/21 11:01
今春からヤマハでプレーする芹澤大地
「頭もいいと聞いていたので、正直、(東京)六大学に行くものだと思っていました。でも、芹澤本人が『ヤマハでやりたい』と言ってくれて、学校の先生も野球部の部長も『ヤマハさんにお願いしたい』と言ってくださって。実は芹澤が練習に参加した時点では、先に話をしていた大学生のピッチャーの返事を待っていたんですが、期限の9月末に断られたんです。それで10月に話ができためぐり合わせもありました」
「芹澤くん、ヤマハって本当ですか?」
嶋岡が「難しい」と語るように、ヤマハの採用枠は「5」と限られている。先手のスカウティング故に、返事を保留する選手がいれば、新たなスカウトに動きづらい。その点、芹澤は“天の配剤”のようにすべてがかみ合った。
高蔵寺の関係者の負担にならないよう、「他の話を断るときは、ヤマハの名前を出してもかまいませんから」と伝えた。
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「そこからは色んな大学から連絡が来ましたよ。『芹澤くん、ヤマハって聞いたんですけど本当なんですか?』って」
この「色んな大学」には、毎年ドラフトで支配下指名が見込めるレベルの高校生を複数名獲得し、“スカウティングの覇者”とまで評される、青山学院大も含まれる。
芹澤は進学校だった…両親の反応は?
一つ気になったのは、高蔵寺が地域有数の進学校であることだ。昨年度の入試では、86人が国公立大に現役合格し、芹澤によると「就職は自分を含めて数人だけだった」という。2年夏以降に急上昇した大学やプロからの評価に、気持ちが揺れることはなかったのか。芹澤本人が明かす。
「親からは『大卒(の資格)は取っておいた方がいいよ』とは言われてたんですけど、自分は大学にこだわりはなくて、上のレベルで野球をやりたい思いが強かったです。プロを考えたこともあったんですけど、高卒で行って活躍する自信はありませんでした。(ヤマハの)練習見学で高校までとは全然違う設備、レベルも知れましたし、少人数でしっかり見てもらえるということも聞いていたので、揺らぐことはなかったです」
強豪高校による有望中学生の獲得競争は年々熾烈になっているが、あくまで高校に限定された争いだ。それに対し、芹澤のような有望高校生ともなれば、プロ、強豪大学、有力社会人チームをライバルとした、カテゴリーを横断した戦いが繰り広げられる。先手を打つヤマハの高校生スカウティングには、大学関係者から「動きが早すぎる」と言われることもあるという。冗談半分、本音半分の“批判”に対し、監督の申原がポリシーを強調する。

