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メジャーが欲しがった“無名公立校の18歳”なぜ社会人野球に進んだのか? 「高卒プロの7割がわずか5年で戦力外」本人が明かした“進路決定”ウラ側 

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井上幸太

井上幸太Kota Inoue

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posted2026/10/21 11:01

メジャーが欲しがった“無名公立校の18歳”なぜ社会人野球に進んだのか? 「高卒プロの7割がわずか5年で戦力外」本人が明かした“進路決定”ウラ側<Number Web> photograph by Kota Inoue

今春からヤマハでプレーする芹澤大地

 2024年までヤマハに在籍した長谷川雄一コーチの父が、芹澤の通う愛知県立高蔵寺高校の教員だった縁で、「いい左ピッチャーがいるから、一度見てくれ」と連絡があったのがきっかけだった。

「長谷川コーチのお父さんから、最速が130キロ中盤くらいと聞いていたので、そこそこいいんだろうな、と。それが、来てもらってブルペンで投げたら、想像を超えるボールだった。しなって、それでいてリリースに力強さがある。伸びしろがすごいなと思いました」

 大学生には即戦力を求め、高校生は将来性に着目しているヤマハだが、素材型の高校生投手にも欠かせないチェックポイントがある。制球力だ。

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「ピッチャーはコントロールがまとまってないと難しいですね。コントロールがいい選手を獲って、出力を上げる方が活躍する可能性が高いと思うので。出力があってもコントロールがなければ、一発勝負の社会人では通用しない。芹澤はコントロールもまとまっていたので」

芹澤が有名に…その直前だった

 プロ野球選手を輩出することは育成力のPRとなり、少なからず恩恵がある。だが、社会人野球の主目的は、あくまで都市対抗を始めとする全国大会で勝ち上がり、母体の企業の名を広めていくこと。負けたら終わりのトーナメントを勝ち抜く上で最適な投手を探していく必要がある。

 嶋岡を惹き付けたのは、芹澤のボールだけではなかった。

「練習参加で、ポジションに関係なく確認するのが“コミュ力”。自分がどういう練習をして、どういう風になりたいか。会話したときに、ちゃんとした答えが返ってくる、練習の裏付けを言葉で返せるか。上がったら(引退したら)仕事をしてもらわないといけないので、しっかり話せるかを一番大切にしています。芹澤が来たときに細いな、と話したら、トレーニングの話になって、『まだ身長が伸びていて、成長段階でトレーニングをしないほうがいいと思っています』と。ただやっていないんじゃなくて、あえてやっていなかった。会話をしてすごいなと思いましたね」

 練習参加に赴いた直後の2年夏、芹澤は夏の愛知大会で140キロ台中盤の速球を投じた。 すると時を経ずして、それまで“無名”だった芹澤は有望左腕として専門誌で特集を組まれた。

 有名になる直前に接触できていたヤマハは、その年の10月に元スカウトで監督の申原直樹が学校を訪問し、具体的な話を詰めた。申原が振り返る。

【次ページ】 「芹澤くん、ヤマハって本当ですか?」

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