テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「敗北の瞬間バットを握ったまま」しかし大谷翔平は取材終了後ふと笑った…復活弾もドジャース3連覇の夢が潰えた夜、山本由伸にかけた何気ない一言とは
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph bySean M. Haffey/Getty Images
posted2026/10/21 17:02
ワールドシリーズ3連覇への道は潰えた。それでもドジャースと大谷翔平の歩みは続いていく
11日にブルワーズのパット・マーフィー監督が語った「何か一つのきっかけで突然変わる」という言葉が頭をよぎった。敵将が警戒していた一発が、ついに飛び出した。
夢ついえる、聞けなかった大谷の本音
ところが、チームは4点のリードを守れず4-6で逆転負け。4連敗でワールドシリーズ3連覇の夢がついえた。
最後の打球が左翼手のグラブに収まると、大谷は右手にバットを握ったまま、歓喜の輪をつくるブルワーズの選手たちを見つめていた。
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試合後、大谷が取材に応じたのは本拠地クラブハウスの自身のロッカー前だった。他社の後輩記者に言われて気づいたが、ドジャース移籍後では初めてだった。
私は球団リポーターのキアステン・ワトソンさんの背後という絶好の位置を確保していた。
どうしても聞きたいことがあった。
試合前にアルバート氏から練習の様子は聞けた。ただ、実際に何を修正しようとしていたのか。その成果が本塁打につながった手応えはあったのか。体の状態はどこまで戻っていたのか。
最後は大谷自身の言葉で確かめたかった。
米メディアの質問が終わり、日本メディアの番になった。
「ふっ!」「2日前に!」
何とか質問の出だしを差し込もうと3度ほど声を上げたが、ことごとく質問争いに敗れた。
質問できず、大谷が見せた最後の笑顔
別の記者が質問している最中、広報が「ラストワン(これが最後の質問)」と告げた。
それでも諦めきれない。最後の一問だと承知しながら、何とか質問をねじ込もうとしたが、あえなく制止された。
その時、大谷がこちらを見て「ふっ」と笑い、ニヤリ。
最後まで質問を取りにいった末の、今季最後の一幕だった。
囲み取材の輪が解けると、大谷は隣のロッカーにいた山本由伸に「明日、球場来るの?」と声をかけた。山本は「いや、まだ少しこっちにいるので」と笑顔で返した。長いシーズンが終わった直後の、何げないやり取りだった。

