草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
工藤公康は“令和の落合博満”か…奇妙な符合にベテラン投手が記者がポツリ「あの時と似ていますよね」初日に選手と面談「懸垂10回3セット」課した理由は
text by

小西斗真Toma Konishi
photograph bySANKEI SHIMBUN
posted2026/10/19 11:00
秋季練習で早速選手を前に訓示する中日・工藤監督
1999年から3年阪神の指揮を執った野村克也監督だ。こちらはもっと深刻で、直近5年で3度の最下位。今なおファンは「暗黒期」と呼ぶ阪神に、三顧の礼で迎えられた野村氏は、選手に自らの考えを浸透させるべく、原理原則をまとめた「ノムラの考え」なる小冊子を配付した。
初日に伝えた「クドウの考え」
実は工藤監督も就任初日に同じことをやっている。用紙2枚にまとめられた「クドウの考え」には、プロとして持つべき心構えが書かれていたという。さらに野村監督といえば全体ミーティングが最大のコミュニケーションの手段だったが、工藤監督は個別面談を重視する。同じく就任初日に大島洋平、涌井秀章らベテラン7選手と面談。監督の考えを押しつけるだけでなく、選手の声にも耳を傾けようとする理由を説明している。
「自分が監督をやっているときの失敗が原点にあるんです。自分の言葉が相手には(意図と)違う伝わり方をしてしまう。その失敗を二度と繰り返さないために、誰かをはさむのではなく選手に直接話をするか、関係するコーチとの三者でしっかり話をする。ミスコミュニケーションはチームの亀裂を生んでしまう」
ADVERTISEMENT
つまり新聞報道なども利用した野村方式ではなく、直接対話の徹底が工藤方式なのだ。自らの使命を「挿秧(そうおう、田植えの意)」と表現した野村監督の在任期間はすべて最下位に終わったが、引き継いだ星野仙一監督がリーグ優勝という大きな実を収穫した。工藤監督は土壌を耕し、種をまき、一気に収穫する。それが十分に可能だと古参の番記者は推察する。
「落合監督が就任したときと…」奇妙な符号
「落合(博満)監督が就任したときと似てますよね。川上憲伸というエースがいて、リリーフには岩瀬仁紀。捕手が谷繁元信で二遊間が荒木雅博、井端弘和のアライバコンビ。中心打者には福留孝介。勝つための役者はそろっていましたから」

