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苦しむ阪神を救えるか? 森下翔太26歳が覚醒するまで「中距離バッターやから…」前監督・岡田彰布が“辛口評価”を覆した日「4番・森下構想もあった」

posted2026/09/17 11:45

 
苦しむ阪神を救えるか? 森下翔太26歳が覚醒するまで「中距離バッターやから…」前監督・岡田彰布が“辛口評価”を覆した日「4番・森下構想もあった」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

打撃タイトル争いで同僚・佐藤輝明の背中を追う森下翔太。阪神前監督の岡田彰布はドラフト指名当時「中距離バッター」という評価を下していた

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内匠宏幸

内匠宏幸Hiroyuki Takumi

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Nanae Suzuki

阪神と巨人による優勝争いが佳境を迎えたセ・リーグ。9月に入って苦闘続きの阪神のカギを握るのは、やはり個人タイトル争いを繰り広げる佐藤輝明(27歳)と森下翔太(26歳)のふたりだろう。三冠王を視界にとらえた佐藤輝を追う森下の覚醒の要因、そして「異様に多い死球」の理由とは。森下のルーキー時代を知る前監督の岡田彰布氏に聞いた。(全2回の1回目/後編へ)

岡田も経験した、三冠王バースとのタイトル争い

 球団初の連覇に向けて歩みを進めていた阪神が苦しんでいる。9月5日のDeNA戦から15日の中日戦まで7連敗を喫し、ライバル巨人とのゲーム差はわずか0.5。踏ん張りどころを迎えるチームの中、注目のキーワードがある。それが「三冠王」だ。

 挑むのが佐藤輝明。9月に入り、再加速して、トリプルクラウンの可能性は高くなった。阪神で三冠王となれば、実に40年ぶりの偉業になる。

 その40年前に達成したのがランディ・バースだった。1985年の日本一シーズンに三冠王に輝き、翌86年も連続三冠。史上最強の外国人選手の称号を手にしたが、85年にはチーム内での競り合いが存在していた。本塁打、打点は早い段階で「当確」が出ていた。難関は「打率」だった。トップを走っていたが、追い込んできたのが岡田彰布だった。その差はわずかな厘差。リーグ優勝を決め、本当なら消化試合になるシーズン最終戦。それが巨人戦だった。

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 試合前、当時の監督だった吉田義男は2人に告げている。「最後まで納得する勝負をしてくれ」。そういって、2人を先発出場させた。

 ところが相手の巨人には大きな「事情」があった。それがバースの本塁打数。最終戦前の時点で54本と、王貞治が持つ日本記録(当時)の55本に迫る数を積み上げていた。この記録は守らなければならない。巨人はバースに対し、敬遠気味の四球を取り続けた。

「そらそうやろ。バースが勝負されないことはわかっていたわ」。岡田に残されたのは自分で打って率を上げること。バースを抜くには4打数4安打が必要だった。だが1打席目、2打席目と凡退し、ここでギブアップ。岡田はベンチに退き、初のタイトルの夢は霧散したのである。

 三冠王にまつわるチーム内の戦いは、40年後に再び巡ってきた。逃げる佐藤輝に追う森下翔太。球界を席巻する虎の3番、4番が繰り広げる三冠ストーリーはいよいよ佳境を迎える。

【次ページ】 「オレの1年目より、はるかに上や」

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