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プロ野球PRESSBACK NUMBER
苦しむ阪神を救えるか? 森下翔太26歳が覚醒するまで「中距離バッターやから…」前監督・岡田彰布が“辛口評価”を覆した日「4番・森下構想もあった」
text by

内匠宏幸Hiroyuki Takumi
photograph byNanae Suzuki
posted2026/09/17 11:45
打撃タイトル争いで同僚・佐藤輝明の背中を追う森下翔太。阪神前監督の岡田彰布はドラフト指名当時「中距離バッター」という評価を下していた
特に追う森下の存在は、強烈なインパクトを与えてきた。昨年のタイトル獲得で実績を積んだ佐藤輝の現在の数字に、多くのファンは納得するが、今シーズンの森下の飛躍的な成長は関係者の想像を越えていた。
「オレの1年目より、はるかに上や」
それを証言するのが、先の三冠物語で登場した岡田だった。現在は阪神タイガースオーナー付顧問という立場だが、ここは球界OB、監督経験者ということでの見方を示した。
森下が阪神に入団したのは2023年。前年の22年オフ、開かれたドラフト会議で阪神は外れ1位で森下を指名した。高松商の浅野翔吾指名で激突したGT戦。時の監督だった岡田は先に巨人監督、原辰徳に当たりクジを引かれた。これが運命なのか。東海大相模(原の後輩)~中央大(阿部慎之助の後輩)と巨人色が漂う森下を「スカウトの強い推し」によって外れ1位に決めた。もし浅野を指名できていたら、もし森下を外れ1位で指名しなければ……。人の巡り合わせとは、こういうことをいうのだろう。
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その時点での森下の評価は? となれば、入団会見の席で、印象に残るやり取りがあった。ひな壇に座る森下が「ホームランは30本を」と語った時、隣に座っていた岡田が「そこは20本にしておけよ」と笑いながら諭していた。「そら1年目から30本は、なあ。まあ森下はホームランバッターじゃなしに、中距離バッターやから」と語っていた。
ところが年を越え、2月のキャンプを終えた時、ヘッドコーチの平田勝男は岡田からこう聞かされていた。「オレの1年目より、はるかに上や」。岡田は滅多にこんなことを口にしない。辛口の評価が通例だっただけに、平田は驚いていた。
それから1年後。10本塁打でルーキーシーズンを終え、2年目のオープン戦の終盤。何人かの著名評論家に岡田はこう問われた。「森下を4番にしてもいいんじゃないですか?」。それほどまでに森下の成長曲線は右肩上がりだった。だが、岡田は評論家に伝えている。「来年よ。3年目に4番。それはある」。
ただ岡田体制下での4番・森下構想は実現しなかった(初めて4番で起用されたのは岡田監督時代の2024年8月13日)。2024年のシーズン終了で岡田は退任し、新監督に藤川球児が就任。監督が代わっても、森下の進化は止まることはなかった。
<続く>

