甲子園の風BACK NUMBER
「バスケに比べて野球は高い」「部活より塾にお金を…」心配していた親が高校野球にハマるまで…ある公立校野球部に密着“親の応援団”が結成された日
text by

樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2026/09/13 11:02
今夏、最後の試合を終えた水戸三の3年生たち
世間のイメージは本当なのか?
極限の勝負にすべてを捧げる超強豪校のあり方を、私は決して否定しない。頂点を目指して親子で身を削るあの張り詰めた熱狂もまた、一つの青春の形だ。しかし、メディアがそうした一握りの極端な物語ばかりを取り上げ、水戸三のような等身大の公立校の姿がニュースにならないがゆえに、世間には「高校野球=親も子も多大な犠牲を払う、過酷で大変なもの」という“強豪校脳”が、植え付けられている。それによって、白球を追う楽しさを知る前に、最初から挑戦の扉を閉ざしてしまう親子がどれほどいることか。
水戸三へ取材に行くたびに、驚くほど自然体で、風通しが良いのはなぜだろうと思っていた。それは保護者のサポートが、「義務」ではなくて「純粋な喜び」だからだ。親も子も、あるいは指導者も、家族も、自発的に行動しているがゆえではないか。
柴田は、高校野球に積み上がってきた「あたりまえ」を一つずつ疑い、持続可能な野球部を作ろうとしている。選手たちも、2年前に掲げた「100年先まで続く野球部を共に作ろう」というスローガンを本気で考えている。
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柴田は言った。
「100年後の高校野球ってどうなっているんですかね。僕らは死んじゃってるけど、100年後も高校野球が残っていてほしいじゃないですか。そのためにできることを、ゼロからスタートしたこの水戸三野球部で挑戦していきたいですね」
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