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「野球部は金も時間もかかる」「親の人間関係も大変…」野球部の親が悩む“4つの壁”は本当か? 普通の公立野球部に密着…拾い物で練習環境整備→初勝利した話 

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樫本ゆき

樫本ゆきYuki Kashimoto

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posted2026/09/13 11:00

「野球部は金も時間もかかる」「親の人間関係も大変…」野球部の親が悩む“4つの壁”は本当か? 普通の公立野球部に密着…拾い物で練習環境整備→初勝利した話<Number Web> photograph by Yuki Kashimoto

初心者もいる普通の公立野球部を取材。「野球部のイメージ」は本当か?

水戸三・柴田先生とは?

 高校野球の取材を続けていると、甲子園常連校でなくても立派な施設に驚かされることがある。専用グラウンド、室内練習場、最新のトレーニング機器。だが水戸三は、その正反対にいる。専用グラウンドなし、潤沢な予算なし。今年で創立100年、元女子校で、3年前まで野球部がなかった学校だ。だが、水戸三野球部を取材してきて、これは単なる「節約」の話ではないのではないか、と思うようになった。

 水戸三野球部を率いる柴田は、2002年春、水戸短大附属(現・水戸啓明)の主将としてセンバツに出場し、名門・駒澤大学でもプレーした野球人。2023年春、水戸三に赴任し、3人の女子生徒から「先生、甲子園出たんでしょ? 野球部つくっちゃおうよ!」という言葉で、それまでなかった野球部を創部した。

「本当に何もなかったんですよ。ボールも他校からの寄付で始まりました」

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 バットは柴田の私物を持ち込み、他の道具を共有した。選手たちは知人が提供してくれた3個の中古グラブでスタートした。

「6000円でも家計を圧迫…」部費問題

 高校野球はお金のかかるスポーツだと言われる。グラブ、スパイク、バット、ユニフォーム。初期費用は10万円近くかかるそうだ。水戸三の部費は月6000円。それでも当初は保護者から「そんなにするの?」という声があったという。

「うちは初心者もいますし、6000円でも家計を圧迫する出費なんですよね」

 普段、妻からのお小遣い制でやりくりしている柴田が実感を込めて話す。塾代は払えても、野球にお金はかけたくない。それが令和の親たちの一般論だと柴田は見ている。だからこそ部費の使途は、自分で出納帳をつけて逐一説明する。1円も無駄にしないよう頭を使うその姿は、まるで家計簿と格闘する主婦のようだ。

「必要なものが出てきても、財布を開きません。学校の中を探して、体育館に行ったり、他の部活の顧問に聞いて回ります。捨てられたトラックの荷台カバーを切り分けて、雨避けカバーにしたこともあります。いまある資源をどれだけ生かせるか、それしか考えていませんね」

親に訴えた「遠征費もありません」

 ミーティングは教室を使う。道具置き場は駐輪場の跡地。創部から3年、ネットが増え、トレーニング器具が入り、コンクリートの床に人工芝が敷かれ、ボールも少しずつ増えた。「いつ誰が持ってきたのか分からない」と選手たちが首をかしげる打撃マシンも、いつの間にか設置されていた。柴田はこれを「環境を実装する」と表現する。最初から何でもそろえるのではなく、選手が必要とするものを、本当に必要になった時に整えていく。あるものでどう豊かな場所を作るかという哲学である。

【次ページ】 公式戦初勝利の快挙!

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