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『Mステ』『やべっちF.C.』に五輪キャスターも経験…元テレ朝“看板アナ”の葛藤「自分である必要はあるんだろうか」竹内由恵が“退社”を決断するまで 

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篠﨑貴浩

篠﨑貴浩Takahiro Shinozaki

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photograph byMiki Fukano

posted2026/09/10 17:02

『Mステ』『やべっちF.C.』に五輪キャスターも経験…元テレ朝“看板アナ”の葛藤「自分である必要はあるんだろうか」竹内由恵が“退社”を決断するまで<Number Web> photograph by Miki Fukano

「ミス慶應」からテレビ朝日の看板アナウンサーになった竹内由恵。華やかなキャリアの裏には葛藤もあったという

井上尚弥の「目線」に感じた観察力

――大学時代とプロのトップ、両方を間近で見て、ボクシングに対する印象は変わりましたか。

竹内 意外と変わらないんですよね。もちろん競技に向き合うレベルや技術は全然違いますけど、共通するものはある気がします。プロの選手もアマチュアの選手も、日々本当にボクシングと向き合って、強くなることだけを考えて過ごしているような……。“求道者”みたいな感じで、突き詰めたいという人が多い気がします。慶應のボクシング部の選手たちも、バンデージを巻いて、黙々と練習して、静かに帰っていく。私はそういう、淡々と自分のやるべきことに向き合っている人たちが好きなんだと思います。

――井上尚弥選手とも、何度かお話しされていますよね。

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竹内 印象に残っているのは、井上選手の目線です。視界の中で何かが動くと、すぐそっちを見るんです。周りで何が起きているか、いろいろなところにすごく目を配っている。お話もとても分かりやすいですね。

――井上選手の観察力や情報収集能力の高さを裏付けるような証言です。2024年のルイス・ネリ戦では、竹内さん自身もMCとして東京ドームにいました。

竹内 井上選手が初回にダウンを喫して、「これからどうなるんだろう」と思ったところから、結局はTKOで勝利して。ノニト・ドネア選手との2試合もそうですが、圧倒的な強さだけでなく、本当に“ドラマ”を作ってくれる選手だなと。

――大学時代の蝮谷(まむしだに)から、東京ドームのビッグマッチでMCを務めるまでになった。ご自身では、そこまでの歩みをどう感じていましたか?

竹内 私の場合、伝える側というより進行なんですよね。もちろん、そういった場にいられたことはすごくありがたい経験です。でも一方で、「私はここで、何ができるんだろう。自分である必要はあるんだろうか」という感覚はずっとありました。

――大きな舞台に立っていても、その感覚はあった?

竹内 ありましたね。アスリートの方たちは、人生をかけて競技に向き合っている。ボクシングなら専門家は詳しく話せるし、経験者なら技術を解説できる。実況のアナウンサーには実況という専門性がある。そう考えると、「じゃあ私は何なんだろう」って。自分がその場にいる意味をあまり感じられなくなっていた時期はありました。

【次ページ】 30歳を過ぎて考えた「私は挑戦してない」

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