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「ドクターの言葉に頭が真っ白に」メジャー復帰のエンゼルス菊池雄星「選手生命の危機を感じた」左肩負傷の意外な“原因”「遠征先の深夜のシカゴで…」
text by

山田結軌Yuki Yamada
photograph byYuki Yamada
posted2026/08/23 17:01
マイナーでのリハビリ登板を重ねてきた菊池
「完全に(左肩負傷の原因は)体調ですね。体も全然痛みがなく、予兆も全くなかった。ただ何も食べることができなくて、(体重が)何キロか減った状態で投げちゃった。99%そうだと思っています」
医師から告げられた言葉に「頭が真っ白に…」
左肩を痛めた原因は、投球フォームやWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に合わせて調整ペースを上げたことが原因ではない。食あたりによる体調不良。そして数日間、適切なトレーニングをできぬまま、高出力で試合の強度で投げたことだった。左肩には、普段よりも負担がかかった。
当初、離脱は短期間で済むと考えていた。一度登板を飛ばし、10日ほど調整すれば戻れる。そんな見通しを持って医師の説明を聞いた。しかし、告げられた方針は投球禁止だった。
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「もうシャットダウン(投球禁止)だよ、みたいな話をチームドクターからされた時は、頭が真っ暗になったというか、真っ白になったというか。えっ、という感じで言葉が出なかったです」
約3カ月に及んだ離脱期間には、野球の試合を見ることさえつらい時期があった。勝敗への緊張も、打たれた悔しさも、次回登板へのプレッシャーもない。現役選手として受けていた刺激が消えた。そして、最悪の事態も頭をよぎった。
「一歩間違えれば…」直面した投手生命の危機
投手生命の危機は考えたか?
「考えますよ、考えました」
菊池は即答した。
「ドクターからも一歩間違えれば危なかったね、みたいな話もされました。リハビリ中も必ず(状態の)浮き沈みはあるので、治るのかなとか、きょうは痛いなとか、毎朝起きて肩をチェックして、起きた瞬間にきょう肩どうだろう? と触るみたいな生活がずっと続いていた」
野球人生で初めての長期離脱。健康で投げられる喜びを再認識した。
「改めて野球が好きだし、勝った、負けたとか、悔しいとか、プレッシャーとか、いろいろありますけど、それって幸せなことだなって」
「人生観を見つめる期間になりました」
勝敗への感情は、マウンドに立てる体があって初めて生まれる。離脱前には苦しさとして受け止めていた重圧も、投げられない期間には取り戻したい喜びへ変わった。


