Number ExBACK NUMBER
《日本ゴルフ界の未来を担う逸材が集結》プロとジュニアがタッグを組んでリーグ戦を開催! 世界で戦うための厳しさと楽しさを学んだ一日
posted2026/06/10 11:00
豪快なティーショットを披露する大山湧さん(13歳)
text by

雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by
Takuya Sugiyama
静けさと緊張感が入り混じる練習場で、並みいるプロたちがスタート前の調整に励んでいる。男子ツアーのメジャー大会、「日本プロゴルフ選手権大会センコーグループカップ」は決勝ラウンドの朝を迎えていた。その中に10人のジュニアゴルファーたちがおずおずと入ってきた。
めったにない機会とはいえ、さすがに少し心細そうにしていると、ツアー7勝の水巻善典プロやシニア一の飛ばし屋でもある兼本貴司プロら、一緒にプレーするシニアプロがやってきた。親子以上の年の差はあるが親しみやすい人ばかりで、ジュニアたちの硬い表情も次第にほぐれていった。
次世代のトッププロ育成を目指して開催された「Number Sports Academy PGA Junior League SENKO Group Cup」。ティーインググラウンドの位置でハンディをつければ、年の差も性別も関係なく一緒にプレーできるのがゴルフの大きな利点。そんな特長を生かし、ジュニアとシニアプロがチームを組む珍しい形式の団体戦として行われた。
ADVERTISEMENT
蒲生ゴルフ倶楽部(滋賀県日野町)内の日本プロゴルフ選手権では使っていない鈴鹿コースを利用し、12~15歳までの10人のジュニアと、8人のシニアプロが参加。4チームに分かれ、プロとジュニアが2人1組のペアとなって3ホールを回る。相手ペアとの獲得ホール数によって得点が配分され、それを繰り返していく総当たりのリーグ戦だ。
2人それぞれが球を打ち、よい方を選んでいくスクランブル方式ではあるのだが、「プロにお任せ」と気楽に構えるわけにはいかない。ティーショットでプロの球を選択できるのは3ホール中1ホールのみ。残りはジュニアのものを採用しなければならず、責任とプレッシャーがのしかかる。
ところが、いざ試合が始まってしまえば大人顔負けのプレーが随所に飛び出した。プロがいきなりOBを打っても涼しい顔でフェアウェイに打ってリカバリーし、勝負どころのバーディーパットも自分でねじ込んでいく。すし石垣プロはその溌溂としたプレーぶりに目を細めた。
「みんな迷いなくターゲットに向かって打つ。アプローチやパットも純粋に寄せにいく、入れにいく。経験を積んでしまった僕らにはできないことなので新鮮でした」
試合は混戦で、最後まですべてのチームに優勝のチャンスが残る展開となった。三浦由楽さんは元サッカー日本代表の三浦淳宏を父に持つ15歳。最後に逆転を狙ったものの、3位に終わって心底残念そうだった。
「最後まで楽しかったですが、結果は悔しいです。納得のいかないパットやショットが出てしまいました」
経験するだけでなく、勝負にもこだわる。そんな気持ちもまたプロ向きのものだろう。
優勝を飾ったのは13歳の2人だった。平塚哲二プロ、渡部光洋プロと組んだ本村彩歌さんと大山湧さん。世界ジュニアでの優勝経験もある本村さんはこう振り返った。
「プロはピンチが来ても焦ることなく堂々とプレーしていて、プレーのテンポもとても速かったです。面白いラウンドでした」
ドライバーの飛距離は230ヤード、松山英樹を目標とする大山さんも、大事な場面でのバーディーパットを決められたことが自信になったと話していた。
「ラインの読みとタッチの合わせ方とか、学んだことがいっぱいあります。それをこれからに生かしていきたいです」
優勝者は、今回の日本プロを制した細野勇策と夏休みに一緒にラウンドする権利を得た。シニアプロから学び、今度はメジャー覇者と。垣根のないゴルフの世界で、彼らはまた新しい何かを見つけるはずだ。









