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パリ五輪二冠のエレセ・アンドルーズと世界選手権2連覇中のジャパンの絶対的エースの佐藤水菜「世界王者が日本で再会」《ケイリン国際対談①》

posted2026/06/05 11:30

 
パリ五輪二冠のエレセ・アンドルーズと世界選手権2連覇中のジャパンの絶対的エースの佐藤水菜「世界王者が日本で再会」《ケイリン国際対談①》<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

エレセ・アンドルーズ(左)と佐藤水菜

text by

石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

PROFILE

photograph by

Kiichi Matsumoto

今夏日本での激闘が期待される二人が、競技への思いからお互いのことについて本音で語り合う。

――アンドルーズ選手は今回が初めての競輪ワールドシリーズ参戦となります。

アンドルーズ(以下EA) 以前、競輪に参戦していたサム・ウェブスター選手(2017年6月~2018年12月まで短期登録選手)が走っているレースを見たことがありましたし、楽しそうだなという印象を持っていました。彼には、レースだけでなく文化や日本そのものについて学ぶことがたくさんあったから、機会があったらぜひ君もチャレンジしてみてとアドバイスをもらっていたんです。今回、実際に日本でレースに出ることになってすごく興奮していますし、今は楽しみでいっぱいですね。

佐藤 (アンドルーズ選手が)参戦すると聞いてとてもうれしかったですし、レースだけでなく、事前に来日して、現地の生活にも溶け込もうとしてくれています。個人的には彼女たちのトレーニングを直接見ることもできるのを楽しみにしていますし、タイミングが合えば一緒にトレーニングすることができるかもしれません。レースだけではなく学べる機会をいただけたことにも大きな意味があると思います。

――日本のガールズケイリンと国際的なケイリンとでは、競技場やルールなど違いがありますが、不安などはありませんか。

EA レースに向けて徐々に対応していきますが、実際にレースに出場すれば(次戦は6月26~28日の小倉予定)、そこでたくさんのことを学べると思っています。

佐藤 ガールズケイリンはUCI(国際自転車競技連合)のインターナショナル基準のルールと日本の競輪のルールをMIXしたようなレースです。スピードの違いや仕掛けるときの距離など、違いはとても大きいですが、彼女たちが持っている力であれば壁にはならないでしょうし、むしろ力の差を見せつけてくれると期待しています。もちろん、私もアンドルーズ選手たちの走りを楽しみにしている一人です。

EA 実は若いときに外のトラックで時々練習することがあったんです。だからガールズケイリンのトラックで練習していると当時に戻ったような気分になって。もちろん、難しいレースになると思いますが、そういったことも含めて、色々学びたいですね。私は困難な挑戦でもそれを楽しみに変換するタイプなので。

佐藤 ガールズケイリンは国際大会とは違った独特な緊張感があると思います。過去にガールズケイリンに参戦したインターナショナルの選手たちは、レース中にみんなの動きに注目しすぎて少し待ってしまって仕掛けが遅くなる傾向があったのですが、アンドルーズ選手にはそこで力を見せつけて、むしろ伝説を残して帰ってほしい。ある意味、自分自身との戦いだと思ってとんでもないレースを期待したいです。

EA いいアドバイスですね!

佐藤 GIに出走する日本の選手にとっても、インターナショナルの選手たちの参戦が与える影響は大きいと思います。これが、日本の競輪がさらに盛り上がるきっかけになってくれればうれしいです。

――お二人はともにナショナルチームのエースとして国際舞台でしのぎを削っています。お互いはどのような存在ですか。

佐藤 パリオリンピックの前年に初めてスプリントで対戦することができたのですが、レース中、彼女に怪我のアクシデントがあって、その後はオリンピックまで会う機会がなかったんです。ただ、怪我を乗り越えてパリでは力強い走りで見事二冠という素晴らしい結果を手にされました。しかも、パリでは私が理想としているような勝利の掴み方だったんです。彼女のおかげで私も頑張ろうというモチベーションにつながっていますし、アンドルーズ選手の存在が、一つの道筋にもなっていますね。

――相手の強み、怖さはどのようなシーンで感じますか。

佐藤 私は長い距離に怖さを覚えますし、少しナーバスにもなるのですが、アンドルーズ選手はどんな場面でもタフだし、ファイター。“何周でもやってやるわ”という力強さを漂わせています。距離が短くても長くても、どの位置からも仕留められる、まったく隙がない選手。越えていかなければいけない敵であり、ライバルですね。

EA そう言ってもらえて光栄です。でも、常にレースで全力を尽くすミナの姿からは学ばされることが多いですし、いつも敬意を抱いています。

佐藤 ありがとうございます。

EA それにミナはいつもレースに来るのを楽しんでいますよね。自分が好きなことをやっているというのがすごく伝わってきますし、レースに対してポジティブに向き合っている姿がとても印象的です。もちろん、私にとっては強くて怖い存在、強敵であることは間違いないですけどね。

――どういった瞬間に、相手の存在が特別だと感じましたか。

EA 世界選手権の女子ケイリンで2年連続(2024、2025年)チャンピオンになった姿はインパクトが強いです。もちろん、それ以外にも色々とメダルを取っていますから。

佐藤 私はパリオリンピック前のレースで負った怪我からの劇的な復活。彼女の見えない努力が結果につながったと感じましたし、復帰したネーションズカップ(UCIが主催する自転車トラック競技の国別対抗戦)のレース内容もすごく素晴らしいものだったので。本当に彼女のインパクトは大きかったですし特別だと感じました。

――6月からの競輪ワールドシリーズでのお二人の対戦が楽しみです。

佐藤 対戦するのは嫌です。できれば避けたいぐらい(笑)。

EA (笑)。選手は誰でもそうだと思いますが、基本的に相手に対するリスペクトは欠かせません。そういう存在と戦うことは、次のステップにレベルアップする重要なレースという意味でも大切。今回もそういったレースにしたいですね。

――最後になりますが、競輪ワールドシリーズでの抱負を聞かせてください。

EA 出走するすべてのレースで全力を出して強いレースをお見せしたいと思っていますし、すべてを出し切って自分のなかでも“やりきった”という感覚を掴んで勝てるようなレースにしたいです。

佐藤 (ガールズケイリンで海外の選手と)最後に対戦したのはホームバンクの川崎競輪場だったのですが、その時はロリーヌ・ファンリーセン選手と今回も参戦しているマチルド・グロ選手と走って、先行していた二人をまくって彼女たちを抑えて勝つことができました。あれから7年。私もレベルアップしてさらにいいレースができると確信していますし、自分の成長を確認する意味でもすごく楽しみにしています。

男女世界王者も参戦! 競輪ワールドシリーズ開催

1982年より「国際競輪」としてスタートし、2009年より「短期登録制度」として行なわれていた外国人選手招聘レースが2019年以来、7年の時を経て復活。


競輪とオートレースの売上の一部は、機械工業の振興や社会福祉等に役立てられています。

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