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「これくらいは行けると思っていた」大迫傑の“日本記録超え”で注目…「昨季までは無名」ナゾの学生ランナーがなぜ覚醒?「下級生の頃は腐っていて…」
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和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2026/05/22 06:02
ゴールデングランプリ陸上の男子3000mでそれまでの日本記録を上回るタイムをマークした城西大4年の柴田侑
「(櫛部静二)監督からは『絶対に出るな』と言われていたんですけど、勝負を急いでしまいました」
レース後にはこんな反省を口にしたように、結局、ラストスパート対決で森と井川に敗れ、3位に終わった。
「彼は最後のキック力があるので、勝つ経験をさせたいなと思っていました」と櫛部監督が言うように、ラストスパートを武器とする選手だけに、得意のスパート合戦で敗れ、悔しさを露わにした。従来の日本記録を上回っても、フィニッシュ後に地団駄を踏んで悔しがっていたのが印象的だった。
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とはいえ、ペースメーカーが抜けた後に柴田が極端にペースダウンすることなく先頭を走ったことで、快挙が成されたと見ることもできるだろう。柴田が日本記録の立役者と言っても過言ではない。
昨年度の柴田は、出雲駅伝、全日本大学駅伝、箱根駅伝と3つの大学駅伝に出場し、城西大の主力に定着した。箱根では様々な駆け引きがあった1区で区間6位と奮闘し、チームの総合7位に貢献した。
昨季まではほぼ無名も…突然の急成長
着実な成果を残した一方で、学生ランナー界の“トップ争い”に目を向ければ、決してそこに名前が挙がってくるような選手ではなかったのも事実だ。だが最上級生となった今季、さらに一段成長した姿を見せ、学生の枠を飛び越え日本のトップランナーに肩を並べる走りを続けている。
「冬に積み上げてきたものをちゃんと生かして、今、練習がしっかりできています。調子が良いというよりは、着々と力が付いてきたという印象です」
4月12日に行われたNITTAIDAI Challenge Gamesでは5000mで日本人学生歴代12位(当時)となる13分22秒46の自己ベスト。さらに、5月4日の全日本大学駅伝関東地区選考会ではアクシデントでチームの敗退が決まった中、気持ちを切らすことなく各校のエース級が集う最終組で好走。留学生に割って入って5着と健闘し、1万mで28分05秒07の自己ベストをマークした。

