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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
「かっちゃんを見るだけで毎回泣きそう」DeNA勝又温史と同期の親友の熱き絆…打者転向・育成から這い上がり「あのとき諦めなかった自分に、ありがとう」
text by

石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byJIJI PRESS
posted2026/05/18 06:30
苦闘の日々を経てついに活躍を見せ始めた勝又に、誰よりも胸を熱くしている同期・宮城滝太。2人にその熱き絆を語ってもらった
「こうやってコンスタントに結果につながる時間がつづくほど甘い世界ではないのはわかっています。絶対に落ちてくる時間は来るでしょうし、そうなったときに波をいかに小さくするのか、また一軍で試合に出つづけているうちに引き出しを増やすなど、今は調子がいいから漠然とOKということではなく、先を見ながら今後に活きるように、今を過ごしていきたいと思っています」
またチームが優勝を目指すには、勝又のように若く勢いのある選手の台頭は必要不可欠。今季、一軍デビューしたも同然な勝又にとってみれば自分のことで精一杯なのは想像に難くないが、チームの勝利への貢献というものをどのように捉えているのだろうか。
「突然チームが1位になることはありませんし、首位になるには積み重ねが必要だと思っています。チームを優勝させる力なんて自分には1ミリもないと思っていますけど、とにかく頂いたチャンスのなかで、コツコツと自分ができることをやっていくことがチームのためになると考えています。そこをしっかり見失わないようにしたいですね」
あのとき、投手を断念した自分にかける言葉は……
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果たして今後、勝又がチームの勝利に貢献しながら、どのような生き様を見せてくれるのか楽しみでならない。
ようやく小学生のとき格好いいと憧れた一軍の舞台でプレーすることができている。そして家族や友人、ファン、チームメイトにたくさんの笑顔を届けられる存在になりつつある。
そんな勝又に、最後の質問。
苦しみの末に投手を断念し、打者へ転向した4年半前の自分に、もしかけてあげられる言葉があるとしたら何ですか?
そう問い、勝又はしばらく沈黙したと思うと、ふと笑顔を見せ、口を開いた。
「諦めないでくれて、本当にありがとう、ですかね」
壊れそうなハートを、いや壊れてしまっていたかもしれないハートを丁寧に修復し、「野球が好きだ」という絶対的な原動力で、無理だという外野の声を無視し努力と根性で、ここまで自身をビルドアップすることができた勝又温史。厳しい勝負の時間を今後も経験しながら、野球の神様に魅入られた男は、夢のスタジアムで輝きつづける——。
〈全2回の2回目/はじめから読む〉

