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「ミドルが嫌だということではない」女子バレー27歳宮部藍梨オポジット転向“本当の理由”「彼女が挑戦したいと強く望んだ」姫路セリンジャー監督も後押し 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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photograph bySV.LEAGUE

posted2026/01/23 17:04

「ミドルが嫌だということではない」女子バレー27歳宮部藍梨オポジット転向“本当の理由”「彼女が挑戦したいと強く望んだ」姫路セリンジャー監督も後押し<Number Web> photograph by SV.LEAGUE

今季からオポジットでプレーする宮部藍梨(27歳)

 チーム事情もあるのだろうかと、姫路のアヴィタル・セリンジャー監督に理由を聞くと、「彼女自身がオポジットで挑戦したいと強く望んだので」と答えた。

「過去3シーズンは、日本代表でミドルブロッカーだったので、(2024年のパリ)オリンピックに向けて準備するため、ここでもミドルに集中させていました。でも昨シーズン後、新しいサイクルが始まる際に彼女といろいろな話をして、(オポジット挑戦を)決めました」

 なぜオポジットを? 宮部に尋ねると、順を追って丁寧に答えてくれた。

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「大学まではアウトサイドだったんですけど、(2022年に)姫路に合流する前に代表でミドルになって、パリ五輪まで3年しかなかったので、そのままの流れでミドルをやってきました。ミドルが嫌だいうことではなくて、いろいろできるのが、他の人とは違う自分のよさなのかなと思っていて。

 ミドルでプレーする機会が結果的には多かったですけど、サイドを辞めるとは言っていなかったですし、姫路で今季オポジットをやりますとなる前からずっと、両方やりたいということは伝えていました。ただチーム事情などもあるので、結果的にミドルで長くやってきましたけど、今季は私の考えをすごく尊重していただいて、『トライしてみな』というふうに言っていただき、環境を作ってもらったので、チームにすごく感謝しています」

「人と違う」宮部藍梨だけの強み

 もともとやっていたアウトサイドではなくオポジットを選んだ理由としては、ミドルブロッカーとの関連性がある。ミドルをやってきた間、サーブレシーブをしていなかったため、「いろんなことを欲張りすぎて、全部できないとなってしまったら本末転倒なので」。

 また、ミドルがレフトからスパイクを打つことは基本的にないが、前衛の攻撃が2枚の時などにライトスパイクを打つことはあるため、オポジットのほうがミドルにも活かしやすいと考える。

 宮部の根底には「“人と違う”というところを強みにしたい」という思いがある。

「代表にも新しい選手が増えていく中で、私は高さが強みですけど、物理的な高さで言うと、身長がそれほど高いほうではない。それにもともとミドルをやっていたわけじゃないので、ミドルとしての経験や場数は、どんなに頑張っても二千華や彩花を超えられない。私がどれだけやっても、彼女たちも同時進行で頑張っているわけだから、そこはどうしても埋められない。

 だったら、私がもともとやっていたことを活かせないものかと考えました。ずっとミドルをやってきた人が持っていない経験を私はその前にしていた。そこで頑張っていたことを、ポジションを変更したからといってなかったことにしてしまうとか、せっかくのよさを消してしまうのは、ちょっと違うのかなと。他のミドルにはできないことができるというのを、自分の強みにしたい。

 できることが多いに越したことはないし、チームとして何か新しいことにチャレンジする時にも、いろんなことができる選手がいたほうが、たぶんトライできる幅も広がるかなと思うので」

【次ページ】 「周りと差別化できたから五輪に行けた」

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