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「イノウエにボコボコに…“ピカソ”は不運な名前かも」英国人記者も期待の井上尚弥“アフマダリエフ後”「その先は…世界中のファンが望むカードだ」
posted2025/09/18 06:03
アフマダリエフの動きを止めた井上尚弥のジャブとボディ。結果的に序盤で勝負は決していたと英国記者は分析する
text by

一野洋Hiroshi Ichino
photograph by
Takuya Sugiyama
9月14日、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥が、ムロジョン・アフマダリエフに3-0の判定勝利を収めた。「過去最強の挑戦者」と言われたアフマダリエフとの一戦を「ボクシングの本場」イギリスの記者はどう見たのか。大国での“リアル評”を聞いた。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》
2025年9月14日、名古屋のIGアリーナで行われた井上尚弥対ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)の一戦。スポーティングニュースイギリス版でシニア・コンテンツプロデューサーを務めるドム・ファレル氏はこう述べる。
「アフマダリエフが1ラウンド目に井上のジャブのパワーとスピードを感じたとき、彼には答えがなかった。フットワークは目もくらむようで、ボディ攻撃は絶対的に残酷だった」
アフマダリエフを完封…井上の「ジャブ」
アフマダリエフは序盤、得意のコンビネーションでリズムを作ろうとした。
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だが、井上のジャブとボディで体を固められ、攻撃の起点を失った。イギリスのスポーツサイト『talk SPORT』も「アフマダリエフは井上のガードの隙を突こうとしたが、井上は快適な立ち上がりを見せた」と伝えている。
試合中盤、第9ラウンドには劣勢のアフマダリエフが挑発のジェスチャーを見せ、真っ向勝負に引き込もうとした。だが、井上は動じなかった。
「インターバル中も父から『このままでいい。いきすぎるな。ポイントをピックアップしていけ』と言われ続けていたので、それを守りました」
かつての井上なら、ここで一気に勝負を決めにいったかもしれない。

