荒木　マユ・イシカワ。

福澤　兄、ユウキ・イシカワに続いてイタリアに行きましたからね。どういったところが伸びました？

荒木　成長がすごいです。高いブロックに対して無理せず決められる、そこが頼もしくなりました。

福澤　出てきた頃から何か持っている選手だなと思っていました。フィジカル的なところから高さに阻まれるイメージでしたが、イタリアから帰ってきて、高さのギャップを感じなくなりましたよね。

荒木　イタリアではほとんどフル出場だったんです。高さに対して慣れて、基準が上がっているとすごく感じます。表情も違いますよね。

福澤　変わるもんなんですね。自分のなかで何かを変えたいというのがあってイタリアに行ったんでしょうけど、そこに対して勝負してきたという自信もプレーの端々に感じます。

荒木　スパイクもレセプションもすごく安定感を増して、ディグの反応も含めてトータルで大きくなって帰ってきたと感じます。楽しそうにバレーをしているのが嬉しいです。

福澤　ユウキ・イシカワと合宿中に話す機会があって、「真佑ちゃんすごいな」って言ったら、「ずっと試合に出ていて、パスをずっとやっていたからすごく安定してきた。それがめっちゃいい」と褒めていました。なかなか聞けないコメントですよね、本人には言わないでしょうから。

荒木　直接は話さないですからね。

福澤　サーブレシーブも含めてすごく伸びていると言っていました。世界のユウキ・イシカワも認めるマユ・イシカワ？

荒木　楽しみです。

セッター岩崎こよみ、35歳の覚悟

福澤　セッターでもうひとりあげるとしたら？

荒木　岩崎こよみ選手、35歳。

福澤　どうですか。

荒木　すごいですよね。3歳の息子さんがいて戻ってきた。代表の経験はあるんですけどオリンピックには縁がなかったんです。今、オリンピックイヤーで正セッターとして活躍している姿にはグッときますよね。

福澤　オリンピックイヤーに代表に入って、オリンピックの切符がかかった試合を任されるって、それはできるものですか。

荒木　どうなんでしょうね。でも落ち着いて見えます。

福澤　ベテランだから落ち着いているで片づけられる話ではないと思うんです。母でありながらそこに挑戦するという覚悟はいい方向に影響しますか。

荒木　覚悟がないと来られる場所じゃないと思います。いろんなサポートがあってコートに立てていると彼女自身が言っていますし。

福澤　そういうのを背負っているから迷いがない。私も彼女の年齢くらいまでプレーしていましたが、プレッシャーがかかってきた時に、自分の核がどこにあるのかというのが大事になってくるんです。周りのサポートが必要で、子供にも我慢させている。でも目の前にチャンスがあるから挑戦しているという信念が、彼女のプレーからは感じます。

荒木　もともとエーススパイカーですから。

福澤　強気なプレーが出ていますね。追い込まれてもどしっとしている。こういう選手が今代表にいることは、どういう影響がありますか。

荒木　彼女が落ち着いてボールを上げることで、古賀選手や石川選手の決定力も上がっています。いろんな声掛けもうまいんです。キャラクター的にも落ち着いているのでチームの中で信頼感がある選手だと思います。