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水原一平スキャンダルに残された「最後のナゾ」…在米税務コンサルタントが指摘する“会計士の正体”「あれでは職務放棄に近い」
text by
奥窪優木Yuki Okukubo
photograph byGetty Images
posted2024/04/18 17:00
元通訳だった水原一平容疑者による巨額の窃盗事件。事態はどんな結末を迎えるのか…?
ただ、K.F氏は大谷にとって単に個人の収入の会計と税務申告を代行するだけの存在ではなかった。
2022年10月、カリフォルニア州で「2WP.INC」なる会社が設立されている。
その登記情報には、CEO、CFO、秘書の欄にそれぞれ「Shohei Otani」の名が記載されている。そこに「登録代理人」として名を連ねているのが、K.F氏だ。
カリフォルニア州在住のビジネスコンサルタントが解説する。
「カリフォルニア州では会社登記の際に、『登録代理人』を選定する必要があります。税務や法務関連の通知や書類を受け取る連絡窓口とされていますが、実質的に会社の身元保証人のような存在でもある。代理人代行サービスに依頼するか、顧問となる弁護士や会計士が務めることもあります」
つまりK.F氏は大谷個人だけではなく、大谷が代表を務める法人とも密接な関係があることになる。
担当会計士は「地元では大物税務コンサルとして有名」
また前出のコンサルタントはK.F氏について、「地元では大物税務コンサルタントとして名を馳せている人物」とも明かす。
K.F氏の事務所のホームページには、「25年以上にわたり、富裕層個人および非上場企業に税務コンサルティングおよびコンプライアンス・サービスを提供」「エンターテインメント・プロフェッショナル、プロ・アスリート、および関連事業体に対する豊富なサービス経験を有している」などと書かれており、いわゆる“セレブリティ”を顧客として抱えていたことが窺える。
「K.F氏は会計士業務にとどまらず、大谷の税務コンサルタントを務めているという噂は以前から耳にしていました。会社設立も、彼からの節税アドバイスによるものではないでしょうか。しかし刑事告訴状に書かれている内容は、そんな敏腕税務コンサルタントのイメージからあまりにも程遠い。
法的な責任問題はともかくとして、単純にその手腕には疑問符が残ります。大谷選手の収入がいかに莫大であっても、そのうち1600万ドルもの大金が消えていることに気づかないなど、あまりにも杜撰すぎるからです」(前出・コンサルタント)