久常涼「欧州最優秀新人として米ツアーへ挑む21歳」

　限界なんて単なる幻想に過ぎない。と言ったのはバスケットボールの神様だったと思うが、21歳の久常涼の限界知らずの躍進を見ると、その言葉にも自然とうなずけてしまう。

「ずっとがむしゃらにやってきて、それが本当にいい形で叶ってきました。まだチャンスを掴むことのできる場所にいるので、この先も変わらず突き進んでいきます」

　予選会を経て今季から挑んだ欧州ツアーでは、9月の『カズー・オープン・ド・フランス』で初優勝を飾った。同ツアー制覇は青木功、松山英樹に続く日本人3人目の快挙だった。

　飛躍はそれだけにとどまらない。欧州ツアーでは年間ランキング上位10人（すでに資格を持っている選手を除く）に翌年のPGAツアー出場権が与えられる。久常はこの権利を最終戦まで争い続け、ぎりぎり10番目のスポットに滑り込んだのだ。