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“有言実行ドラ1”も「指名された時は顔に出すなよ」大阪桐蔭・前田悠伍18歳の“映像で伝わらない”表情…背景に西谷監督と兄の助言

posted2023/10/27 11:03

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間淳Jun Aida

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Jun Aida

2023年のドラフト会議で高校生ナンバーワン投手として高評価されていた大阪桐蔭・前田悠伍投手（18）はいわゆる“外れ1位”で3球団競合の末、ソフトバンクが交渉権を獲得した。その会見の“画面では伝わりきらない”空気感を、NumberWebでお伝えする。

　大阪桐蔭高校の体育館に設けられた記者会見場。高校生ナンバーワン投手と評された前田悠伍投手は、ドラフト会場を映すテレビ画面だけをじっと見つめていた。最初の指名では4人の選手に計10球団の指名が集中。抽選を終えると、テレビ中継はCMに入った。

　まだ名前が呼ばれていない前田投手の視線は動かず、表情も変わらない。隣に着席していた西谷浩一監督に笑顔で太ももを軽くつつかれて、表情を崩した。

　CMが明けて外れ1位指名。その2球団目。日本ハムが順番を迎える。前田悠伍の名前がアナウンスされる。会場の後方に着席していたチームメートから拍手と歓声が起きた。その後も楽天とソフトバンクから指名された前田投手の交渉権は3球団による抽選となった。

「自分がどの球団に行くのかワクワクしながら見ていました。3球団も指名していただいて感謝しています。ここまで色んな方にお世話になったので、感謝の言葉を伝えたいです」

　わずか数分の抽選時間が、前田投手には何倍にも感じられた。

　ソフトバンクが交渉権を引き当てると、記者会見場はこの日一番の拍手に包まれた。西谷監督はゆっくりと大きく息を吐き、会場に来ていた両親と兄は喜びを分かち合う。しかし前田投手だけは感情を表に出さない。

　全球団の1位指名が確定してCMに入ると、ようやく肩の力を抜き、家族の方に視線を向けて2度、3度うなずいた。このマウンド上と変わらないポーカーフェイスと、周囲への感謝が成長の証だった。

　即戦力の大学生投手が豊作と言われた今年のドラフトで、前田投手は1位指名を受けた。

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