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「1人残らず楽しませたい」KAIRIが“無期限休業”直前に明かした本音…記者が見た、若手レスラーへの愛「みんな自分にしかない魅力がある」 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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posted2023/09/30 17:00

「1人残らず楽しませたい」KAIRIが“無期限休業”直前に明かした本音…記者が見た、若手レスラーへの愛「みんな自分にしかない魅力がある」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

GLEAT新宿FACE大会に出場したKAIRI。会場が狭く感じられるほどの存在感を放っていた

若手選手にかけた言葉「長所を見つけて伸ばしてあげたい」

 少ない試合数、それもトップ戦線で闘うとなると対戦する相手も限られてくる。その中でも伝えられることは伝えてきた。9月20日には新興団体GLEATに初参戦。高橋奈七永とともに所属の細川ゆかりとチームを組んだ。

「どの団体でも入場の時から声援をいただいて。毎回、楽しかったしどの会場も楽しむことができました」

 まだキャリアが浅く、不器用で黒星も多い細川にとって、KAIRI、高橋と組んで勝利するのは大きな経験だった。試合後、KAIRIは細川に「凄くよかったよ」と声をかけたそうだ。

「まだまだ荒削りだし、見せ方だったり課題はあります。でも彼女なりの世界観があるんですよ。あとは“もっと楽しんで”、“もっと周りの声を聞いてごらん”と伝えました。最初はとにかく必死で、なかなか周りが見えないものなんです。私もそうでした」

 細かい注意、反省点などは近い立場の先輩がしているだろう。自分は長所を見つけようとKAIRIは思った。スターダムの会見で若い選手に厳しく当たり「今の接し方でよかったのか」と疑問に感じたこともある。

「選手にはキャリアに関係なく、その人にしかないいいところがあるんです。“これは私が持ってないものだな”というのもあって。それぞれ長所も短所もありますけど、私は長所を見つけて伸ばしてあげたい。“みんな自分にしかない魅力があるんだよ”って」

スターダム「壮行試合」には思い入れのあるメンバーが

 9月いっぱいでの休業を発表していたKAIRIだが、10月にも1試合だけ、スターダムでの「壮行試合」が行なわれることになった。9日の名古屋大会。名古屋での大会は昨年、新型コロナウイルス陽性反応で欠場してしまったから、必ず名古屋で試合がしたいという思いもあった。パートナーはタッグ「七海里」を組んできた高橋奈七永と“スターダムのアイコン”岩谷麻優。思い入れのあるメンバーだ。

 対戦相手は葉月、コグマ、飯田沙耶。この3人の実力は誰もが認めるところ。しかし持っている力ほどには活躍できていない印象がある。KAIRIも歯痒さを感じるそうだ。だからこそ対戦したかった。

「3人とももっとできるというのを知ってるので。欲じゃないけど、自分をどんどん出していい。彼女たちも心の中で思ってることがきっとあるはず。それをもっとさらけ出して」

 葉月とコグマはプロレス界から離れていた時期がある。

「私もそうですけどスターダムの中で“出戻り”。だから遠慮しちゃうんですかね。優しすぎるんだと思います。飯田も優しいんですよ。でもプロレス人生には限りがあるので。後悔してほしくないです。この試合が全員にとっていい転機になれば」

【次ページ】 KAIRIにとって日本復帰にはどんな意味があったのか?

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