97試合118打数30安打1本塁打6打点3盗塁 打率.254

〈現在で言う「現役ドラフト」のようなセレクション会議というものがあって、横浜大洋の監督になった須藤豊さんから声がかかりました。また元巨人の選手だった土井正三さんが監督を務めるオリックスからも声がかかったようですが、まとまりませんでした。条件が合わなかったのですが、巨人も、チームを出たがっている僕を送り出す気があまりなかったように思います〉

巨人のかつての二軍本拠地、多摩川グラウンド　©BUNGEISHUNJU

「問題意識」を醸成し続けてきた前半生だった

　こうして佐藤洋氏は、プロ野球のキャリアを終えた。すでに32歳になっていた。

　その前半生をみていくと、佐藤洋氏は野球の技術、知識を身につけていくとともに「問題意識」を醸成し続けてきたのだとわかる。

　その「問題意識」が、きわめてユニークな指導者としての道を拓くことにつながるのだ。

＜第2回に続く＞