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「マックスは過小評価されている」アロンソも認めるマシンの性能だけではないフェルスタッペンの無双《史上最速を目撃中!?》

posted2023/09/01 11:04

 
「マックスは過小評価されている」アロンソも認めるマシンの性能だけではないフェルスタッペンの無双《史上最速を目撃中!?》<Number Web> photograph by Getty Images / Red Bull Content Pool

オランダGPで赤旗が出るほどの大雨にもペースを乱されることなく走りきり、セバスチャン・ベッテルの最多連勝記録に並んだフェルスタッペン

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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Getty Images / Red Bull Content Pool

 また、ひとつの記録が達成された。1シーズンにおけるドライバーの最多連勝記録だ。

 夏休み明け初戦となったオランダGPは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝し、第5戦マイアミGPから続けていた連勝を「9」に伸ばし、セバスチャン・ベッテルがレッドブル時代に記録した歴代F1最多連勝記録に並んだ。

 偉大なるこの記録は、ややもすると「チャンピオンチームのドライバーが速いマシンに乗って作った記録」と思われがちだ。しかし、同じマシンに乗るセルジオ・ペレスが第4戦アゼルバイジャンGP以降優勝がないことを考えると、単にマシンが速いことだけが連勝の理由ではないことがわかる。

 さらに記録が達成されたオランダGPでは、レース中に2度も突然の雨に見舞われ混乱が生じた。ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンは1回目の雨による影響を受け、ピットインのタイミングが遅れて一時は5番手までポジションを下げた。

 その時点でトップのペレスとの差は13秒。しかし、フェルスタッペンは濡れた路面で誰よりも速いタイムを刻み続け、7周後の10周目にはその差を4秒にまで縮めた。その中には、ペレスに対して1周4秒も速いラップもあった。

 その後、ピットストップでチームメートを逆転してトップに立ったフェルスタッペンは、レース終盤の赤旗が出るほどの大雨にも動じず、セーフティカー先導のローリングスタートも落ち着いて決め、トップでチェッカーフラッグを受けた。

元王者が語る勝ち続けることの価値

 結果的にはポール・トゥ・ウィンのフェルスタッペンだが、今年のオランダGPはマシンが速くても優勝できないレースの典型と言える展開だった。過去にもシーズンを通してライバルたちを圧倒するようなマシンは何度もあったが、いずれもシーズンに数回訪れる落とし穴にはまってきた。

 例えば1993年のアラン・プロストは、ウイリアムズが手がけたシーズンを席巻する速いマシンを手にしていながら、2戦目のブラジルGPで突然のスコールに足をすくわれてクラッシュした。2004年に圧勝したミハエル・シューマッハ(フェラーリ)も、5連勝で迎えたモナコGPでセーフティーカーラン中に事故を起こしてリタイアした。

 いまのフェルスタッペンには、不運をも吹き飛ばす特別な強さがある。

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