佐々木尽「ボクシング以外を捨てた大器が目指す快挙」

　将来有望な若手選手の中でも、インパクトという点でこのボクサーの右に出る者はいないだろう。

「日本人初のウェルター級世界チャンピオンに輝く男、佐々木尽です」

　お約束となったキャッチフレーズを少し照れながら口にする佐々木は2001年生まれの22歳。デビューから6年目を迎えた'23年は立て続けに印象的な勝利を飾った。

　まずは1月、ウェルター級で東洋太平洋とWBOアジアパシフィック王座を保持する豊嶋亮太に挑戦して強打爆発の1回TKO勝ち。世界ランカーのチャンピオンをわずか2分足らずでフィニッシュした光景は圧巻のひと言に尽きた。