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「ナオヤはグレート」“井上尚弥20~23歳に敗れた男達”が味わった怪物の正体「それは知らなかった…」なぜ“KO回避”したのにガク然?
posted2023/08/01 17:02
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Takuya Sugiyama
<名言1>
とにかく強い。やられてしまう場面が何度もありました。
(八重樫東/NumberWeb 2013年4月17日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/406633
◇解説◇
井上尚弥はスティーブン・フルトン戦で完璧なボクシングを見せ、バンタム級4団体王座に続き、スーパーバンタム級王者となり4階級制覇を成し遂げた。30歳となり、そのパンチと肉体美はさらなる進化を果たしているが……ボクサーとしての能力には10年前、20歳時から絶賛の声があがっていた。
スパーリングで“5Rのうち3Rは井上”
学生時代の井上はアマチュアボクシングでめきめきと力をつけ、高校生初となるアマ七冠を達成するなどその実力はすでに知れ渡っていた。
それは2012年、プロ転向を決めた直後のタイミングで、世界王者に2度君臨した大橋秀行会長が「自分の比ではない」と語り、さらには「八重樫が井上とスパーリングするときは、井上じゃなくて八重樫に作戦を与える」ほどだった。
現在は井上のトレーナーを務める八重樫も、ハードなファイトスタイルでボクシングファンの心を掴んだ世界王者経験者である。その八重樫が井岡一翔との統一戦を前にしたスパーリングで井上と戦った際、大橋会長いわく「5ラウンドのうち3ラウンドは(井上に)取られた」と言うのだから……。
「アマチュアのころから倒すボクシングを意識していた」
当時の井上が口にしていた言葉も、今では納得しかない。
プロ6戦目「ナオヤがグレートだった」
<名言2>
私の調子はよかったが、ナオヤがグレートだった。
(アドリアン・エルナンデス/NumberWeb 2014年4月7日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/809191
◇解説◇
稀代のモンスターはあっという間に世界王者へと駆け上がった。プロ転向表明から2年足らず、2014年4月6日にWBC世界ライトフライ級タイトルマッチで王者エルナンデスを6ラウンドTKOで撃破。プロキャリア6戦目にしての世界タイトル獲得は日本最速記録となった。
たった6戦のキャリアにして日本ランカー、日本王者、東洋太平洋王者となったものの“さすがにまだ世界は早いのでは?”という見立てが簡単に吹っ飛ぶKO劇だった。
それも相手は決してロートルではなかった。